続きは、社長室で。2
私が特別室へ到着したトキ、対峙した拓海は準備万端の様相をしていた。
愛しいブラウンの瞳と交わる度に、抑えようにも鼓動が加速するする中で・・・
今日はダークグレイのスーツに、爽やかなライトブルーのストライプネクタイ。
ヘアはサイドを流している為に、軽やかで洗練された印象を受けるけれど。
何よりも私を惑わせるのは、甘いホワイトムスクの香りだったの…。
「どうかした?」
「あ、いえ…、申し訳ありません」
懐かしささえ覚えるスタイルを、どうやらマジマジと見つめていたらしい。
苦笑している彼に慌てて一礼しながら、自身の情けなさに落胆するだけ…。
「・・・そう?
佐々木さんって、意外にボーっとしてるよね?」
「っ…、すみません…」
ククッと笑う拓海から眼を伏せると、所在無げに謝るコトしか出来ずにいれば。
「いや…、可愛いと思うよ」
「・・・っ」
解っているの…、これは社交辞令であって、お世辞でしかナイと。
だけれどブラウンの瞳と清涼な声を向けて、私に微笑んだりシナイで…?
愛おしい貴方の言葉にどう返せば良いのか、まだ対応出来ないよ・・・