続きは、社長室で。2


青く澄みきった空模様とマリアナブルーを前にしても、特別室の空気は相反するモノ。



優しい拓海はきっと社長として、大変な負い目を感じているのだと思う。



笑顔で上手く切り返せない私は、やっぱり秘書として半人前だよね…。




「本当に、申し訳ない…」


「・・・っ」


拓海と再会して以来、コトある事に謝罪されてばかりなのに・・・



だけれど愛おしいヒトの弱さと脆さを垣間見たトキ、勝手に手が伸びそうになる。



見つからない言葉の代わりに、ギュッと抱き締めたくて仕方がナイの…――




すると悲しい色をしたブラウンの瞳が、何かを秘めた眼差しへと変化して。




「佐々木さん…、入院中にずっと考えていたが…。

帰国したら、俺の担当を外れた方が良い・・・」


「・・・え?」


ジッと見据えられたまま、何よりも恐れていた言葉を告げられてしまった。




「俺といれば、何かにつけて佐々木さんが傷つく…。

幸い、君以外の人なら…」


「っ、や、やめて、下さい!

良いんです…、私は…っ、それでも、ずっと傍にいます…。

お、ねがい、しますっ・・・」


頭を振って拓海の言葉を遮ると、堪えきれずにポロポロと涙が零れていく…。




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