続きは、社長室で。2
どういうコト…、いったい何が奇縁しているというの――?
「本当は危害が加わる事のないよう、直ちに退職させる手筈だったが…。
事実を告げずに退職を告げたせいで、蘭は社外へと飛び出してしまった。
まさかその日の出会いが、貴方と再び結びつけさせてしまうとはね…。
…申し訳ないが、来てくれないか――?」
まるで私へと語りかけるように、分かり易く述べていた拓海は一旦止めたあと。
何処かへ向けて放たれた言葉で、ガチャリと繋がった秘書室の扉が開かれた…。
思わずドアの音に反応して振り向けば、立川元部長とアノ佳奈子さんの2人の姿。
「涼太、くん…」
「・・・・・」
そして私が漏れ出た呼び掛けにも応えず、俯いたままの涼太くんがいた・・・
「お前ら、東条のはした金でも貰って寝返ったか?
それとも・・・」
嘲笑…ううん、卑下していると判る声色が室内に異質なモノとして響き渡った。
身体を後方へと向けてしまった後藤社長の表情を、窺うコトが出来ナイけれど。
3人の顔つきを見れば、どんな様子なのかが見て取れる恐ろしさだ…。