続きは、社長室で。2
社長室の扉を眼前にすると、無言のままにピタリと歩みを止められて。
未だに絡んだ指が熱を帯びてドキドキするとは、不謹慎極まりない。
ガチャッ――
彼がドアノブに手を掛けると、そのまま中へと引き連れられて入室した。
入口付近でまた歩を止められてしまい、当然私も立ち止まったのだけれど。
「あの…っふ…、ンンッ――!」
バタンッ――
その重厚な扉が音を立てて閉まった瞬間、言葉を封じられてしまう。
「ンンッ、ンッ・・・」
強引に唇を塞いでおきながら、舐めるように触れるキスがもどかしい…。
「んっ・・・」
だけれど確実に体内温度は、焦らされる口づけによって急上昇していく。
「ンンッ――!」
少しだけ開口した隙間から捻じ込まれた舌で、徐々に激しさをプラスされると。
緩急をつけた巧みさに囚われるように、ガクンと身体の力が抜け切って。
すべてを分かりきっている拓海のペースに、まんまと嵌められるだけ…。
「ンッ…、っぁ・・・」
後頭部を支える彼の手が、腰砕けになりそうな私の生命維持装置と化していた。