続きは、社長室で。2
拓海の言葉にウソはナイ…、その姿を見て来ているからこそだけれど。
ポツリと言葉が出てしまうほど、あまりに衝撃的な事実に苛まれたのも事実で。
「涼太くん…、ホ、ント、なの…?」
「・・・・・」
涼太くんに眼を向けても、たどたどしく尋ねたとしても返事はなくて。
いつでも優しかった彼らしく、私を傷つけるから言えないのだと悟ったの。
またしても自分の知らないトコロで、人を苦しめさせていたなんて…――
「蘭…、大丈夫か?」
「っ、…す、みませ…ッ」
隣からスッと長い指が伸びて来ると、そのまま頬を伝うモノを拭われた。
この瞬間に泣いてしまう弱さを押し殺すように、グッと歯を噛み締めると。
「…蘭は、何も悪くない・・・
オマエを巻き込んだ俺が、全部悪いんだよ…。
話の流れで東条グループが出てきてさ…、自慢げに話したんだ。
TS商事の担当になったばかりで、自分の株を上げようとしてさ…。
蘭や東条社長に迷惑が掛かるなんて事、知りもしないで・・・」
俯いたまま拳をギュッと握る涼太くんが、ようやく口を開いてくれたけれど。
「ホントにごめん…」
「ちがっ…」
自身を戒めるような態度に我慢ならなくて、そのまま頭を振って否定した私。