続きは、社長室で。2
その表情は私からしても、明らかに動揺が見て取れる表情に変化していて。
立川元部長が持っていた書類には、何が記載されているのか…――
「ふ、ざけるなっ――!
何なんだ、この、追加融資の取り消し通知って…!」
すると、バシッとテーブル上へと叩きつけるように書類を投げつけた後藤社長。
「言葉の通りですよ」
「なん、だと――?」
2人の険悪さを遮るように淡々と発する拓海を、今度は鋭く睨みつけている。
「飲み会で蘭と会った彼は、貴方の言いなりにはならずに内に秘めた。
・・・が、東条グループの人間には報告をしてくれたという訳だ。
そこにいる彼らを通じて、私の方へとね・・・」
それでも飄々として答える愛おしいヒトは、3人を一瞥して説明を重ねていく。
「・・・はい、仰る…」
「いえ…私が、我慢ならなかったんです…」
え・・・?
割り込んできた高い声色に、思わずそちらへと視線を向けてしまった私。
「佳奈子、オマエ…」
「いいの、もう…」
立川元部長の言葉を封じると、沈黙を続けていた佳奈子さんが口を開いた。