続きは、社長室で。2
大柄の後藤社長が小さく霞んでしまうほど、その様は堂々としていて。
愛おしいヒトがどれほど偉大なのか、まざまざと見せられている気分だ…。
「どうすれば…、良い…?」
暫し流れる重苦しい沈黙の後、悔しさを滲ませながら呟いた後藤社長。
「どうすれば…と、仰られましてもね…」
フゥと溜め息ひとつをついて、その続きを急かすような拓海の口ぶり。
「・・・悪かった」
「誠意が足りないとは思いませんか?
貴方の身勝手すぎる行動で、蘭は…」
グッと噛み締めながら、ポツリと齎された謝罪さえ許せないようだけれど。
「拓海…、や、めよう…」
「蘭・・・?」
「これだと…、拓海が、悪者になるじゃない…。
わたし、が…、私が全部、悪いのに…っ――」
堪らずに私は愛おしいヒトのスーツの裾を引っ張りながら、ソレを制してしまう。
そうして互いの体温を分かち合っていた手が離れると、ゆっくり席を立ち上がった。
「…後藤、社長・・・
貴方にご迷惑をお掛けして、本当に申し訳ありませんでした…」
私がやらなければならない、彼への謝罪をする為に・・・