続きは、社長室で。2
漂うホワイトムスクの香りにも惑わされて、眩暈を起こしそう…。
「ふっ…、ンンッ・・・」
酩酊状態にも似た私に、未だ拓海からの容赦無いキスが降り注ぐ。
もう限界ギリギリだと、抗うコトが出来ない訳ではナイのに・・・
応えたいと思っているのは、私が彼を愛しているがゆえの衝動だから。
着たばかりのシワひとつ無いスーツに、ギュッとしがみついてしまう…。
「ンッ・・・」
意識が吹っ飛びそうになる寸前で、ようやくスッと離れされた唇。
ツーと糸を引く透明な液は、それまでの激しさを名残惜しむかのようで。
瞬時に体内スイッチオフになった私を、サッと受け止めてくれた。
「っ…、・・・っ…」
忙しない呼吸を整えようと彼の胸に凭れて、この身を預けているけれど。
虚ろな瞳が捉えたモノは、ベージュとブラウンのストライプネクタイ。
清涼さを引き立たせる、軽やかなライトグレーのストライプスーツ。
シンプルながら洗練された印象を醸し出せるのは、オーダーメイドならでは。
そんな拓海のすべてが、私を惑わせて止まないエッセンスなの・・・