続きは、社長室で。2
ホワイトムスクの香りに縋りつくように、拓海のスーツを掴んで泣き叫んで。
ずっと、ずっと、待ち望んだ場所に戻れたからか、急速に身体の力が抜けていく。
私の生きる道はやはり、拓海の傍でなければダメだと示すようで。
もう独りで生きるコトなど、あり得ないと告げているようだね…――
「・・・ん?」
「あ、気づいた?」
泣きすぎたせいか重い瞼をこじ開ければ、未だにボーっとした視界が広がった。
「んー・・・」
取り敢えず判るのは真っ白な天井を見上げて、ふかふかのベッドに眠っているコト。
そして愛おしいヒトが手を握って、傍にいてくれたらしい温かみだけ…。
「ここってドコなの…?」
「んー、俺たちの新居」
「・・・え!?」
サラリと発せられた言葉は完全に眼を覚まさせ、ガバッと上体を起こした私。