続きは、社長室で。2
二度と抜け出せない深みへと嵌まるように・・・
閉ざされた社長室は、私が落ち着くまでの間、静寂に包まれていて。
それらを取り巻くのは、冷めやらぬ余韻とホワイトムスクの香りだけ…。
「もう二度と…、オマエを傷つけない。
だから、俺の傍を離れるな――」
「ッ・・・」
不意に清涼な声で囁かれた言葉は、不安を一気に打ち消すモノで。
「あれだと、守れたとは言えないが…。
絶対に離れないと約束してくれ、良い…?」
両肩を持たれて引き離されたあとの確認は、心をリペアする材料になる。
「っ…、はい・・・」
YESを紡ぎ出す返事が上擦るほど、とても嬉しかったの。
「フッ…、約束は守れよ?」
「うん・・・」
見上げた貴方の表情は煌々としていて、こちらまで笑顔になれた。
ブラウンの瞳を見つめるだけで、早鐘を打つ鼓動・・・
あまりに満たされすぎて、幸せが零れていたのかな…?
世上にも耐えられる力を、貴方に享受されたのにね・・・