続きは、社長室で。2
触れられている先から熱は急上昇して、何度となく啼き声が漏れてしまう。
その間にもプチン、プチン…と、瞬時に引き剥がされていくスーツとシャツ。
身に纏う物がランジェリーのみとなったトキ、私も拓海のボタンに手を掛けた。
ボーっと熱に侵され、既に虚ろな情態の中で、ホワイトムスクの香りが漂うと。
愛おしいヒトに触れるコトが、どれほど尊いモノなのかを知らしめてくれる。
「生きてて…良かった…」
「蘭・・・」
シャツを剥がした先の厚い胸板に触れれば、トクン、トクンと鼓動が伝わってきて。
何よりも大切なヒトの温かさが嬉しくて、涙が止まらなくなってしまう・・・
「もう…、置いて、行かないで…」
「ら、ん・・・」
首筋へと縋りつきつつ、リップ音を立てながらも強く噛みつくようにキスをした。
「っ、出来た…?」
考えてみればキスマークをつけるのは初めてのコトで、つい尋ねたのだけれど。
「フッ…、ソコだと、あいにく俺には見えないな。
今日は余計に、眠らせられないけど…――」
「っ、ん・・・」
そう言って笑う拓海が、今度は私の身体に唇を這わせた・・・