続きは、社長室で。2


触れられている先から熱は急上昇して、何度となく啼き声が漏れてしまう。



その間にもプチン、プチン…と、瞬時に引き剥がされていくスーツとシャツ。



身に纏う物がランジェリーのみとなったトキ、私も拓海のボタンに手を掛けた。




ボーっと熱に侵され、既に虚ろな情態の中で、ホワイトムスクの香りが漂うと。



愛おしいヒトに触れるコトが、どれほど尊いモノなのかを知らしめてくれる。





「生きてて…良かった…」


「蘭・・・」


シャツを剥がした先の厚い胸板に触れれば、トクン、トクンと鼓動が伝わってきて。



何よりも大切なヒトの温かさが嬉しくて、涙が止まらなくなってしまう・・・




「もう…、置いて、行かないで…」


「ら、ん・・・」


首筋へと縋りつきつつ、リップ音を立てながらも強く噛みつくようにキスをした。




「っ、出来た…?」


考えてみればキスマークをつけるのは初めてのコトで、つい尋ねたのだけれど。




「フッ…、ソコだと、あいにく俺には見えないな。

今日は余計に、眠らせられないけど…――」


「っ、ん・・・」



そう言って笑う拓海が、今度は私の身体に唇を這わせた・・・




< 220 / 226 >

この作品をシェア

pagetop