続きは、社長室で。2
続きは、社長室で。
番いの道を選んだからには、私はもう弱虫な自分とサヨナラするから・・・
「蘭ちゃん、本当にゴメンね!
一度ならず、二度までも貴方を…」
「えっ、そ、そんな!
事情でしたら、すべて拓海から聞いておりますし・・・
だから、理沙子さんが謝らないで下さい」
「でもね、私の気が晴れないのよ――!」
頭を深々と下げつつ、申し訳なさそうに謝罪をされてドギマギ。
激しい波に攫われていた夜が明けたトキ、拓海から齎されたのは・・・
乱気流事故は誤算だったけれど、理沙子さんは裏事情を知っていたというモノ。
そして桜井部長が日本に残っていたのも、調査の陣頭指揮を執っていたからで。
何も知らなかったのは、やはり私だけだったという事実だったのだ・・・
「もし私が、理沙子さんでしたら・・・
間違いなく、同じような行動を取ったと思います。
ですから、もう謝らないで下さいね?」
「蘭ちゃん…、もう貴方ってば、可愛すぎるー!」
「キャッ!!」
ウルウルと瞳を潤ませた彼女の甘い香りとともに、ギューッと抱き締められた。