続きは、社長室で。2
東条家の気品を纏いながらも、泣いている理沙子さんが可愛く思えてしまって。
抱き締められながら嬉しさにも包まれて、笑みが零れてしまうの・・・
「・・・いい加減に離して貰えます?」
すると背後から、溜め息のあとで呆れたような声色が届いてくる。
「…あら、ツマンナイ息子に用は無くてよ?
可愛いお嫁さんとのハグタイム、邪魔しないで貰えるかしら?
ツマンナイ嫉妬をしていれば、蘭ちゃんにも愛想をつかされるわよ?」
「あのなぁ・・・」
「ふふっ・・・」
東条家と佐々木家という柵を、壊してくれた貴方がくれたモノがあるの…。
段々と東条家を知るうちに、理沙子さんのフランクさを垣間見るようになれて。
そして愛おしい貴方は母親思いであり、お父様を尊敬しているコトも伝わってきた。
今まで日本で随一と評される、東条家のネームバリューに慄いていたけれど。
東条という偉大なモノの前に、一般と変わらない愛情に満ちた家庭であって。
東条の名を誇りに思いながらも、誰も驕るコトなく生きているのだとも・・・