続きは、社長室で。2
私は貴方の秘書として、何ひとつ役立てていなかった。
アノ部屋で貴方に抱かれるコトが、唯一の仕事だったのよね…?
不甲斐ない自分が悔しくて、視線はどんどん降下していく。
四方から届く視線と嘲笑に、拠り所を見つけられずに・・・
「社長の事は、ここの全員が狙ってたのよ?
それでも私たちは、貴方みたいに卑怯な真似はしてないわ」
「え・・・?」
向かいで話す先輩秘書の言葉すべてが、再び視線を上げさせてしまう。
此処の全員が拓海を狙っていて、私は卑怯・・・?
「その“ご自慢の身体”を使って、社長に取り入ったクセに!
大体、社長秘書に収まった時からヘンだったのよ!
入社前から貴方、どんなマジックを仕掛けてた訳?」
「な…、ちが・・・」
射るような眼つきで捕らえられていても、必死で頭を振ったけれど。
「それでも私たち、ずっと我慢してたわ。
身体だけで社長秘書に選ばれるような、誰かさんとは違って…。
ココの皆は、秘書の仕事にプライド持ってるからね?」
「っ・・・」
私のこれまでは、本当に何だったの・・・?