続きは、社長室で。2
秘書としては無能だったし、役にも立っていなかったけれど。
それでも私なりに…、1人で必死に頑張っていたの…。
でも秘書課の人にも、拓海にも、何も認められていなかった――
「っ・・・」
もうチクチクだなんて、生易しいモノではなくて・・・
ズシン、ズキン…、そんな鈍くて重い音しか響いてイナイ。
「悪いけど、誰も祝福なんてしてないわよ?
最低な貴方に“オメデトウ”なんて言う奇特な人、ココにはゼロだから」
最後に吐き捨てるように言われて、私は何を返せと言うの…?
「・・・・・」
ケラケラと高らかな笑い声に包まれると、一層息苦しくなる秘書課内。
前方を塞がれている私には、クルリと踵を返すコトしか出来なくて。
「っ・・・」
泣き出しそうになるのだけは堪えて、必死に出口へと向かった。
バタンッ――
そうして秘書課から抜け出すと、一気にフロアを走り抜けて行く。
外聞からも、拓海からも…、すべてのコトから逃げ出すように・・・