続きは、社長室で。2
逃避の、始まり。




どうして私は、こんなにも脆くて弱いのだろう…?




胸を張って拓海と結婚すると、言えないのかな…?





“誰も祝福しない…、卑怯で最低な貴方なんか…”



何も知らない人たちに色々と言われる事は、これでも覚悟していた。



それでも面と向かって言われると、今の私では堪えてしまう。




あのまま秘書課に身を置いている事が、耐えられなかったほど・・・





エレベーターに乗り込むと上には向かわず、そのまま下を目指した。



拓海の待つ社長室から、どんどんと遠ざかって下降するエレベーター。



密室空間へと逃げ込んだ私は、迷うコトなく1階のボタンを押したのだ。





「っ・・・」


ズルズルと床へ崩れ落ちそうになるのを、どうにか我慢している状態で。



これが高速エレベーターである事に初めて、嫌悪感を覚えてしまった。




折角1人になれたというのに、短時間で地上へと到着してしまうから…。




いつもは同乗する拓海の香りが立ち込めて、ドキドキが止まらないのに。




2人きりなら、トキが過ぎるのが早くて仕方なかった場所なのに・・・




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