続きは、社長室で。2
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【拓海視点】
「Bye・・・」
ロンドン支社長との電話を早々に終えると、そのまま受話器を元に戻した。
時間を気にしているせいで、視線は自然に腕時計へと向いてしまう。
「遅い・・・」
ポツリと呟いてしまうほど、予想以上に時間が過ぎていたのだ。
“私はヒマですし、行って来ます!”
そう言って出て行った蘭が、2時間以上過ぎても戻らない・・・
荷物整理にしても…、幾らなんでも遅すぎるだろう?
先ほど置いたばかりの受話器に、また手が伸びて内線を掛けた。
「祐史、悪い・・・
秘書課に行って、蘭を見てきてくれないか?」
部長室で仕事をする祐史に、手っ取り早く頼むことにした。
俺が簡単に動いたりすれば、善からぬウワサが立つだけだ…。
「は…、オマエ、社長室から出したのかよ!?」
「いや、蘭が飛び出して行ったんだよ…」
「マジかよ・・・」
そう溜め息をついて呆れてられても、仕方が無い・・・