続きは、社長室で。2
もう片方の手は私を抱き寄せたまま、離そうとはしなくて。
「っ・・・」
シーツ越しに密着した身体は、さらに鼓動の高ぶりを早まらせる。
このまま甘えてみたり、寄り添っても良いのかな…。
そんな疑問がグルグルと渦を巻いて、戸惑ってしまう。
今までずっと…、抱かれたあとは置き去りだったから――
これから本当に・・・、貴方の傍にいて良いの?
ずっと、ずっと、離れるコトはナイよね――?
「蘭、どうした?」
「う、ううん…」
思わず震えそうになる声を抑えて、様子を窺う彼にニコリと笑った。
ギュッ――
バレたくないとの思いから、その胸へと縋りついてしまう。
「寒いのか?」
「うん…」
コクンと頷くと、さらに強く漂うホワイトムスクの香り。
この重みも、昨夜の余韻も、身体に残ったままだというのに。
あまりに幸せすぎて、イヤな不安を感じたとは言えナイ・・・