続きは、社長室で。2
頬を伝っていた涙が止まるほど、車内には重い空気が立ち込めていて。
密かな楽しみである、運転中の拓海の横顔すら一度も見れないまま…。
彼が怒っていると伝わる、荒っぽいアクセルの踏み具合。
隣で発しているオーラも、普段とはまったく違っていて。
「・・・・・」
朝とはまったくチガウ雰囲気が、心をグッと痛めつけていく。
すべて私が悪いというのに、謝罪の言葉も口に出来ないクセに。
此処でも俯いて逃げているのは、やっぱりズルいと思う…。
いつしか震えていた手で、ギュッと拳を作ってトキの経過を望んでいた。
暫くして、何処へ向かっているのが気になり、視線だけを車窓へ向けると。
ドクッと大きく波打って、鼓動が一段と早さを増してしまう。
近づくにつれて徐々に落ちていく、ランボルギーニの走行スピード。
対して私の心臓は、バクバクと煩いほどに心音を囃し立てていた。
先ほどの言葉が再び、心にズシッと重く圧し掛かっていくの…。
「っ・・・」
イヤ…行きたくナイ…、そう拒否をするかのように――