続きは、社長室で。2
ううん…、大丈夫に決まってるじゃない。
拓海が縋れる場所を提供してくれるなら、身を預けなきゃダメ。
これからはもう、独りじゃナイよね・・・?
「拓海…?」
「なに・・・」
シーツごと包められた私は、ヒョコッと顔を上げて彼の顔を窺った。
朝が苦手な貴方らしい気だるい声に、嬉しさが込み上げるの。
昔と変わらないトコロが、此処にもあると・・・
「ありがとうって、伝えてなかったから…。
私なんかを選んでくれて、本当にありがとう・・・」
「蘭・・・」
眼を見開かせた拓海に、今度は心からの笑みを零せていた。
昨日はそれ所ではなくて、この言葉を伝えられなかったけれど…。
拓海は両家にある柵を越えてまで、私なんかを選んでくれた。
ハジメテの時に交わした約束を、こうして叶えてくれたうえに。
昨日の夜の行為も、幸せすぎるモノだったから・・・
いつまでも不安に怯えて、立ち止まっていてはダメよね?
貴方が創り出してくれた道を、並んで歩いて行きたい――