続きは、社長室で。2
シャワールームとキングサイズのベッドという、変わらない秘密の部屋。
だけれど今日は、ひとつだけ違うモノがある。
それは社長室の主である、拓海の訝しげな顔つきだ・・・
ブラウンの瞳と交わると、逸らすコトすら憚られる視線を投げ掛けられて。
私が悪いと解っているのに、言葉を発せないオーラを纏っているのだ。
ドンッ――
「キャッ――!」
ベッド付近まで強引に腕を引っ張られ、そのまま身体を沈められてしまう。
今までにない乱暴な所作に、慌てて身を起こそうとしたのだけれど。
小さな抵抗も出来ないまま、身体の上へと跨られてしまった。
眼前に迫る端麗な顔に、いつもの涼やかさが見受けられなくて。
そんな拓海の表情から逃げるように、顔を背けてしまうズルい私。
クイッ――
すぐに顎を捕らえられて、易々と手中に誘われてしまった。
「俺が怒ってんの、分かってる?」
「っ・・・」
淡々とした口調で尋ねられているのに、その迫力は途轍もない…。