続きは、社長室で。2


拓海の秘めたる怒りが、絡み合う舌を通して伝わって来る。



掴まれたままの両手首が、ジンジンと熱を帯びて痛みを伴っていく…。





「っん…、やっ・・・」


酸欠一歩手前のギリギリ状態だというのに、治まる気配はなくて。



わずかに漏れた声で抗おうとしても、まったく効果がナイ。



顔を背けようにも、角度を変えてさらに攻め立てられるだけ…。




「ンッ…ッ、ン――!」


あまりに息苦しくなって、なりふり構わず足をバタつかせると。




「っふ…、ッ・・・」


熱い透明な糸を引きつつ、ようやく激しいキスから開放されて。



酸素を吸い込みたくても、蕩けそうな状態の身体ではソレさえ難しい…。



虚ろ気なままで、眼前にあるブラウンの瞳だけを捉えていた。





「これで終わりだと思ってるだろ?」


「っ・・・」


「手加減するほど、俺はデキた人間じゃない」


いつしか拓海の手は、両手首から頬へと捕らえるモノを変えていて。



その冷たい声色が、オーバーヒート寸前の鼓動の冷却水のよう…。




両手足は自由だとしても、彼に抵抗なんて出来る訳ナイ・・・




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