続きは、社長室で。2
視線を逸らさず、言葉も発しようとしない私に対して。
至近キョリからブラウンの瞳で、ジッと見下げたままの拓海。
ギシッと音を立てるベッドのスプリングと、身体に少し圧し掛かる重み…。
それらが鼓動の高鳴りを保つ中で、背中にはツーと冷たいモノが流れていて。
彼の一挙手一投足で簡単に、マリオットになってしまう・・・
「ハァ・・・」
「っ・・・」
そんな均衡を壊すように、埒が明かないと言いたげな溜め息をつかれた。
拓海の言っていた“罰”はきっと、このアトに齎される…?
「…なぜ会社を抜け出した?」
「そっ…、れは・・・」
先ほどまでの心音とは違う、ドキッと波打ち立った鼓動。
「“俺の傍を離れるな”って、約束したよな?」
「…っ、ごめんなさぃ…」
少しずつ責め立てられて、今さら謝るコトしか出来ないとはいえ。
たどたどしく言葉を紡ぐ私は、やっぱりズルい・・・