続きは、社長室で。2
だけれど、すべてをどう説明しろと言うの…?
秘書として必要とされてなかったうえ、周りからの言葉に勝手に傷ついて。
あんな醜いドロドロしたキモチなんて…、曝け出して良い訳ナイ。
東条に関わるすべてを担う貴方に、浅ましい感情で煩わせたくない。
今まで迷惑ばかりを掛けていたのに、これ以上負担になりたくない…。
だから拓海からも逃げるように、会社を抜け出したのに・・・
「どうして何も言わない?」
「・・・っ」
熱情的だったブラウンの瞳の色の変化は、また私の心をヒヤリとさせて。
直球の言葉と真っ直ぐな瞳から背くように、眼をギュッと瞑ってしまう。
「蘭・・・?」
淡々とした口調で名前を呼ばれて、潤み始めた眼をさらに固く閉ざすと。
「ごめん、なさ…」
「…だから――!
なんで、俺に遠慮なんかするんだ!?」
「っ――!」
謝罪を遮った声にビクッと驚いて、頑なだった眼を簡単に開けば。
その先にあるのは、憂いを帯びた表情の貴方だった・・・