続きは、社長室で。2


今までどんなに酷く冷たくされても、決して乱暴にはされなかった。



もしかすると、拓海なりに気遣っていたのかもしれないけれど…。




「っ…、ぁ・・・」


だけれど今日は予告通りに、息つく暇すら与えて貰えナイ…。




そのまま繋がりを待ち侘びていた身体は、拓海を容易く受け入れていく。




このトキだけが、隔たるすべてを一気に忘れさせる始まりとなるから…。



もっと深くと…、繋がりを固めるように眼前の背中にギュッと腕を回す。





「あっ――!」



ベッドのスプリング音と切ない声とが、絶え間なく共鳴していた・・・








「それで…、いなくなったワケは?」


「っ…、それは・・・」


行為のあと、まだ身体を駆け巡る余韻で頭がボーっとしている中で。



乱れた呼吸を繰り返す私を、ジッと見据えて容赦なく尋ねてくる。




“罰”を受け入れていただけで、身体はヘトヘト状態なのだけれど。




拓海にとっては、これが“罰”だったのかもしれない・・・




< 67 / 226 >

この作品をシェア

pagetop