続きは、社長室で。2
パリッとしたシーツに身を包んだまま、引き寄せられている状況で。
何も身に纏っていないうえ、要求を呑んだ私はどう見ても不利だ…。
「一体、誰に何を言われた?」
「っ…、な、にも・・・」
その瞳で捉えられるコトが弱点だと、解っていて投げ掛けてくるから。
燻ぶり続けていた炎が、ふたたびボッと灯されていくのに…。
「それなら…」
「っ…、ただ…、悲しかったの!」
答えかねている状況で、さらなる選択肢を持ちかけられては堪らない。
「悲しかった…?」
その言葉の真意を探っているのか、こちらの様子を窺う拓海。
「ゴメンなさい・・・
本当は、桜井さんに妬いただけなの…。
私は、イラナイのかなって…」
まずは謝って気を落ち着かせると、ポツリと紡ぐように発すると。
「それは違う――
蘭がいたから俺は頑張れたって、言ったよな?
早く一緒になれるように、祐史が裏でしていただけだよ…」
「うん…、ゴメンなさい…」
静かに言葉を制したあと、優しい清涼な声色で諭してくれた。