続きは、社長室で。2
相手を思うコト、労わるコト、愛でるコト・・・
これからも変わらず、ひたすら愛しぬいていく覚悟・・・
すべてに固執しすぎて、間には微妙な隔たりが生まれていたのに。
私の知らない所で、着実に新たなるモノが忍び寄っていたというのに。
それにも気づけないほど、目の前の貴方に夢中で縋りついていて。
何も見えなくなるほど、鈍感力だけが冴えていた…――
「・・・蘭・・・」
「…ん?」
頬を掠めるくすぐったい感触と清涼な声で、ぼやけた視界が開けていく。
寝ぼけ眼の状態で、フッと一笑しているスーツ姿の拓海を捉えた。
「そろそろ帰ろうか?」
「え…、今って…?」
ベッドの淵に腰を下ろして見下げる姿に、誰もが見惚れそう…。
「19時すぎたトコ」
「うそっ――!」
心地良さでぼんやりしていた頭は、途端にバチッと覚醒させられる。