続きは、社長室で。2
何も纏っていない状態の私を抱えて、シャワールームへと進む拓海。
ふわりと鼻腔を掠めていく、ホワイトムスクの香りに心が踊っていく。
凭れかかっている胸の厚みも、しっかりと受け止めてくれる腕の力も。
何もかもが、先ほどまでの行為を瞬時に思い起こしていくの・・・
「っ・・・」
数え切れないほど見られて、すべてを知り尽くされているというのに。
あまりの恥ずかしさで、伏目がちに視線を逸らしていたのだけれど。
「蘭・・・?」
「・・・なに?」
「こっち向いて?」
「・・・っ」
愛するヒトからの“お願い”には、抗えナイように出来ている私。
ゆっくり視線を上げれば、待ち侘びたらしいブラウンの瞳と合致した。
「もう二度と、寂しい思いはさせないから…。
たまには我が儘言って、甘えてくれよ…?」
「っ…、っ・・・」
突然の優しい言葉と気遣いに、ツーと頬を伝う涙が止まらなかった。
晒された素肌に対しての羞恥心も、とうに忘れ去るほどだったの。
そうお互いを知って、学んで…、ずっと傍にいたかった・・・