続きは、社長室で。2
機鋒の、始まり。
“結婚しよう”
残像と重なるほど大好きだった笑顔を、再び見せてくれた瞬間から。
それまで真っ暗だった道は、貴方の光芒でキラキラと輝きを放ち始めた。
身分も世界も違う中で、臆するコトなく引き寄せてくれたね…?
比翼連理への茨の道にも、私なりの覚悟をしていたつもりだったのに。
外聞に囚われてすぐに、何よりも大切なモノから逃げ出してしまって。
それでも貴方は寛大な心と優しい香りで、ふわりと私を包み込んでくれた。
迷惑だけを掛けてもなお、その広い胸でギュッと抱き締めてくれたから…。
時間は埋められなくても、キョリなら必ず埋まると信じて疑わなかった。
それほど幸せを与えて貰って、私は甘く考えすぎていたのかな…?
2人で漸進したいと…、あのトキまでは笑えていたのに…――