【連作】そらにかなでし〜平安朝禁断恋草紙④〜
どのくらいの間、そのようにいたしておりましたのか、

「そなた」

雅やかなお声掛かりに、朝露が、はっと気を確かに取り戻しますと、上等な衣装をお纏いになった若者が、目を細めて、かの者をご覧になっているのでした。

「そなた、名を何と申す。我が家にどのような用向きで参られたか」
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