バクチの樹への送りうた
いつしかこの子は消えていた。
忘れてた。
無口で上を見てる子だったから。
あの子がよく行ってた山に行く、なんて美しい。
木は大きく苔が山の森全てに広がっている。
じわりと苔の一部から緑の水が溢れていた。
あの子は見つからなかった
また子供ができた、皆はどういう顔をすればいいか分かってなかった。
喜べばいい。
子供が生まれた。
赤ん坊だった。
よく泣いた。
女の子。
爪があった。
よくしゃべった。
何でも食べた。
笑った。
涙がでる。