隣の男子に恋をして
「別に隣の席の人に綺麗さなんて求めてないのにぃ…
なんでかなぁ」


「それは悪かったね」
「!!」


振り返ると、真後ろに180以上の長身の男子が立っていた。


「おはよう、佐川君」


にこやかに春奈が挨拶した相手こそ、佐川 諒。


灰色のさらさらの髪に、焦げ茶の瞳。すべすべの肌にすっと通った鼻筋。切れ長の二重がじっと日和を見つめた。


「おはよう、河原さん。

席順は俺が決めたわけじゃないから、文句なら教師に言うんだね」


そう言うと、諒は友達のもとへと歩いていった。


「こりゃぁ大変ねぇ。
初日から喧嘩かぁ…」
「ど、どうしよう…」


冷や汗をかく日和の肩を春奈はぽんぽん、と叩くと教室の中へと歩いていく。


「まぁ聞かれちゃったもんはどうしようもないわよ。頑張って仲良くしなさい♪」


「春奈ぁぁぁ(泣))」



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