隣の男子に恋をして
「あ、そう?……ぁりがとね」


苦笑いの日和に気づかないまま、翔大はしゃべり続ける。


「入学式のとき、思ったんだよね。もう一年たつけどさ」
「そうだねぇ……
もう一年たっちゃったんだもんなぁ」


しみじみと思い出していたとき、後ろからいきなり背中を叩かれた。


「ひーよりっ♪」
「コウ!!」


後ろにいたのは篠田 晃(シノダ コウ)一年のとき仲良くなった、女より女らしい男の子だ。
二重のぱっちりした瞳に、ブラウンの髪。身長は160くらいで、肌は驚くほど白い。


「なにさぁ、びっくりするじゃん」
「うん、ごめんね」


ぺろっと舌を出して謝る姿が嫌みなほどはまっている。


「………コウ」
< 6 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop