すれ違い
「はっ?嘘付くなよ」
そう冷たく言い払い、リモコンを手にテレビのスイッチを入れる。
・・・・はい?
自分で聞いておきながらその態度は何なのよ!
何で嘘付く必要があるわけ!?
ここ付近の家なんです、文句あるの?
・・・と言いたいところだったが、ややこしい事になりそうなので、やめた。
「八王中、3-5の13番の工藤琴菜です」
ムスッとした表情で口を動かす。
「・・・5組?ていうかさ、俺、お前のこと知らないし」
「はい?」
あたしだって今さっきまで知らなかったわよ!