全部、君だった。


その日、練習が終わって学校を出る頃にはすっかり日は落ちて、辺りは真っ暗だった。


街からかなりはずれた場所にある高校の周りには、家も街灯もほとんどなく夜になると本当に真っ暗なんだ。

変質者だってよく現れて問題になるくらい。


(そんなとこに学校なんて建てんなよ…)



私は正門を抜けて駅に向かって歩いていた。


いつもは自転車で通っているけど、今日は寝坊してしまい車で送ってもらったのだ。


どうして練習が長引いた日に限って寝坊したんだ私!!

なんて、朝の自分を責めながら歩いた。





その時、


背後から自転車のベルの音が聞こえてきた。



そして私が振り向くのと同時に、真横に自転車が止まる……




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