【短編】『愛してる』なんて言わないで





あたしが答えてしばらくすると康太が口を開いた。




「話、あるんだけど中入っていい?」




「うん、あたしも話ある」



部屋の中に入って、康太はソファに腰かけた。



あたしは、康太の近くにいるだけで辛くなるから、ベッドに腰かけた。



「あたしから話しても良い?」



「うん」




きっと、これから康太はあたしが別れ話するなんて思ってもいないだろうね。




「あたし、康太の1番になれないの知ってる。



でも、いつもそれを望んでしまう。



そんなこと考えるあたしが嫌なの。




だからあたしと



別れてください。」




言えた。



もうこれで本当にお終い。



これで心おきなく直輝君の所に行けるな…





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