【短編】『愛してる』なんて言わないで
「でもね?もう、2番目でいることに疲れちゃって
別れたいんだけど、いざ彼に逢うと言えなくて」
あたし、この人なら素直に話せる。
「そっか、でも辛いことから抜け出せるなら早く別れた方がいいんじゃない?
ごめんね、勝手なこと言って」
「ううん、ありがとう。別れる勇気出た
明日にも話そうかな」
「そしたらさ、俺の所に来てよ…」
「……えっ?」
「俺、千緩ちゃんに一目惚れした」
「あたしでいいの?」
「千緩ちゃんじゃないとダメなの」
「ありがと、直輝君……」
あたしって、軽い女なのかな…
別れようとしてるのにすぐに違う男に行って……
でも、それで康太のこと忘れられるなら…
直輝君には悪いかもしれないけど…