捨て猫
「…でも俺、里那ちゃんがこんな鈍いと思わなかったわ」
「だって絶対千晴先輩だと思ってたから」
「っつーか、あんまその名前、出すなよ」
…怒ってる?
「…ごめんなさい」
謝ると、

「なんちゃって~」
舌をペロッと出す先輩。
「…怒らせちゃったかと思った!」
バシッと腕をたたくと、
「バーカ」
そう言って、髪をグシャグシャにした。
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