捨て猫
それから、あたしたちは食べさせあいながら完食した。
コーヒーを飲みほして一息つくと、先輩はおもむろに口を開いた。

「…オレ、里那と付き合えてマジ嬉しかった。断られるかもって思ってたし」
先輩に呼び捨てにされるのには、もう慣れた。
「正直、今こんな話していいのかわかんねぇけど、オレ今までの女は体目当てっていうのが多くて。初めての彼女に捨てられたんだよ…。相手は1コ上で、中1の終わりだったかな。そいつは最初からオレなんか好きじゃなくて、体目的で告白OKしたっていうのが分かってさ」
「…」
< 52 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop