呪術書


 これが・・・これがあの声が言ってた・・本・・


 「この本いったい何の本なの?」


 緑音がいう。


 「あたしもわからない。でも、あの化け物と、関係してることはまちがいない」


 「とりあえず開いてみるか。」


 「うん・・・・・」


 あたしがその本に触れた瞬間だった・・


 「うっ・・・・・」


 
 なにこれ・・・嫌な感じがする・・・・


 「空・・・?どうした?」


 カズが言う。

 
 「なにやってんだよ。なら俺が―・・・」


 陸が触ろうとした瞬間・・・


 「だめっ!!」


 
 あたしは陸の手をつかんだ。


 なんでとめたのかはわからないけど、いけない。嫌な感じがする。


 「さわっちゃ・・だめ。」


 「なんでだよ??」


 陸が言う。


 「これ、嫌な感じがする。」


 「嫌な感じ???」


 みんなが首をかしげてる。


 「うん。だからあたしがあける。」


 あたしなら大丈夫な気がする。そっとその本にふれた。その瞬間、あたしの意識が


 スッととんだ。


 「空・・?おい、どうしたんだよ・・」


 「空っ!?どうしたの??」


 「空???」


 あた・・し・・・どうしちゃった・・・んだ・・ろ・・・・





 
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