呪術書
刃物を持った右手を化け物は上にあげ・・・・
ま・・さか・・・ダメぇ・・・あたしは目を強くつぶった。
また・・あの声が聞こえた・・・
「空・・・空・・目を・・けて・・あけて・・」
んっ・・・?
「え・・!?うそ・・・?」
止まってる・・・時が、物が、生き物が・・・すべて止まってる。
「空・・急いで・・急いで・・大丈夫空・・空、家・・倉庫・・倉庫―・・・」
声は風と一緒に消えた・・・
え!?家・・倉庫・・?・・・・はっ!!
「陸っ!!みんなっ」
あたしはみんなのもとにかけ寄った。
「みんなっ、大丈夫??」
「ぜんぜん大丈夫じゃねぇ・・・」
陸はひどく混乱しているようだ。
それに緑音も優も・・・・・
そこにカズがはしってきた。
「おまえら・・大丈夫か・・・?」
カズはあたし達にかけよってきた。
「あの化け物・・止まってるな。時間も・・俺ら以外・・・」
優が言う。はっ、そうだ急がなくちゃ、早くっ!!
「みんなっ、急いで、行かなくちゃ・・・」
「行くって・・?どこに??」
緑音が言う。緑音はひどくおびえている。
「あたしの家に・・・」
「空の??わかった俺も行く。とりあえずここから逃げよう。」
陸が言う。うん、とみんなが頷き、あたしの家に向かった。