あなたの愛を
「な、何で矢城君が居るの!?」
「おはよ!柚っ一緒に学校行こ?」
「あ…うんっ。」
そう言うと、私の手を握って歩き出した。
すると、私たちが乗るであろうバスが来ていた。
「急ぐぞ!!」
そう言って矢城君は私の手をぐいぐい引いて行く。
私たちは満員のバスに無理矢理乗った。
四方八方には知らない人ばかり。
その時――――。
私のお尻に違和感を感じた。
後ろに居るのはサラリーマンらしいおじさん。
嫌っ…やめて…。
そう言葉にしたいのに、
怖くて何も言えない。
矢城君っ…助けて…。
私は目で訴えた。
私のその訴えに気づいた矢城君はそのおじさんの手を思いっ切り掴むと、今まで見たこと無い位怖い顔とすごく低い声でおじさんに怒鳴った。