あなたの愛を
「どうした?失恋でもしたか?」
矢城君はズバリ言い当ててしまった。
それでも何も言わない私の頭を、
ポンポンっと優しく触れた。
「や、矢城君っ…。」
矢城君は優しい目で私を見下ろしてる。
「私っ…私ね?」
“フラれちゃったの”
そう言おうと顔を上げた時だった。
「んっ………っ!?」
彼の顔がすごく近くて、
彼の唇の熱が伝わって来て…。
私は今、キスをしてたんだ…。
優しく触れるだけのキスだったけど、私の心臓の音はうるさかった。
「俺にしとけよ…。」
そんな言葉を口にして、
彼は私を抱きしめた…。