戻れない道
すかさず蓮くんが私の体の上に来る。

「あ、あのっ」

焦った私は、少し噛み気味に声を出した。

「な、何をするの・・・かな?」

軽い感じで聞いてみる。

「?男と女がベットの上。やる事は1つだろ?」

首をかしげると、そのまま蓮くんは私の首筋にキスをしてきた。

体がびくっと反応する。

「うひゃぁ」

何とも間抜けな声が私の口から出てしまった。

「ムードのないやつだな」

「あ、あのね。何で記憶を蘇らせるのに、こういう事をするのかな」

手をバタバタと意味もなくふりながら、慌ててそう聞いた。

「いつもしてる事をすりゃ、体が覚えてるだろうから刺激になるんじゃないか?」

「えええっ」

いつも?いつもしてるの?

て事は何?

蓮くんは、由衣ちゃんの彼氏って事?

お目付け役兼彼氏?

あ、それでさっき蓮くんって呼んだら変な顔をしたのかな?

彼氏だもん、蓮って呼び捨てにしてるのかもね。

それともダーリンとか、蓮ぴょんとか独自のあだ名があるのかも。
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