戻れない道
「俺の周りではあったんだよ」

蓮くんが面倒そうに溜め息をつく。

「とにかく寝ろ。起こっちまった事はどうにもならねぇからな」

「え、あ、うん。えっと・・ありがと」

「ったく、由衣の顔でしおらしくすんな」

ペシンと頭をはたかれた。
特別しおらしくしたつもりは無いけど。

この由衣ちゃんはお礼とか言わないみたいね。

変わった子だったのかな。

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