戻れない道
「いや、いや、いや。無理。無理でしょう」

『平気、平気。全然、大丈夫』

「だってっ」

『・・・それとも死ぬ?』

急に声のトーンを落として、ニヤッと笑うもんだから私の体はビクッと震えた。

死ぬ・・・死・・・。

「い、嫌・・・」

反射的に答える。

『じゃ、決定』

このまま死ぬか、別の体で生きるか。

2つに1つ。それなら・・・生きたいと思ってしまう。

本当は元の私に戻れるのが一番だけど。

それが叶わないなら。それなら・・・・・・仕方ないよ、ね?

『無理強いはしたくなかったから、助かったよ~』

軽いノリで死神は言った。

私が死ぬって言っても、無理矢理何かするつもりだったらしい。

選択権は最初から無かったって事か。

『そんじゃ、頑張ってね~~~』

何かむかつく。

意識の遠のく中、次に会ったら殴ろうと固く心に誓うのだった。


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