心の詩

春願い

春にしては
少しまだ寒かった夜だった

遠く遠い日が
一気に戻るような想い
淡く甘く広がる

もう二度と
触れることはないと
そう思っていたの

別に何か
信じていたわけでもなく
願いが叶ったわけでもなく
きっとなんとなく
偶然だったんだと分かってる

けれど
あなたのたった一度の笑顔
切なくて苦しくて嬉しくて
あなたに出会った
あの春を思い出した

封じ込めていた想いに
泣きそうで
その目を反らしたけれど
その姿が映らぬようにしたんだけれど

あなたはきっと
何も知らないまま
相変わらずの私に
呆れていたかな

あなたに出会った春も
ねぇ確か
まだ少し寒い春だったね

ふたりで歩いた道
隣にはいられなくて
その大きな背中を見つめた日

あなたはどこまで覚えていますか?

あなたに出会った春と
同じ春はもう二度とないけれど
あなたに出会った春から
四度目の春

大好きだったあなた
どうかどうか幸せに
大好きだったあなた
この春もどうか
めいっぱい幸せに…
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