chance

chance【きっかけ】

家に帰ると喪服を着た母が、涙を流して泣いて居た

なんだなんだ?

誰か逝ったのか?

母『帰ったの?……』

私『ただいま……何かあったの?』

母は俯いたまま頷いた


私『誰か……亡くなったの?』

母『あなたも早くこれに着替えてちょうだい…』
おい!
スル~かよっ!

なんて突っ込む雰囲気では無い事くらい分かってる!

母から渡された喪服に着替えると、先程スル~された話を、母は俯きながら話しだした。

母『あのね……実は…あなたのお父さんが亡くなったの……』


へぇ~っ…そうなんだぁ……???……

『はぁーっえっ!?』

そらこうなるわ!訳の分からない声も出てしまうわ!!

お父さんなんて存在、今の今まで知らなかったんだから!!

私『お父さんって……居たの?』


母『…今まで黙っててごめんなさい…』

そう言って頭を下げる母に

お父さんって誰?
死んだんじゃなかったの?
何で今まで黙ってたの?どうして1度も私に逢いに来なかったの?
何してる人だったの?
何処で知り合ったの?
恋愛結婚?

最後の方は訳分からない質問になっていたが、俯いたまま私の顔すら見ようとしない母を、一気に捲し立てた。




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