chance
キッチンへ向った母を見ると、肩が上下に揺れてやがる

思い出し笑いしてんじゃねぇかよ!

我慢しながら笑うんじゃねぇよ!


お茶を煎れた母が戻って来ると、アタイの顔を見て吹き出した

母『アハハハッ…ダメだぁ…母さんあんたの『アタイ』と、ダチョウ倶楽部のモノマネがハマっちゃったわ!』


聞いてないよぉ〜に、まさかハマってるとは……

ほんとっ…母さんやりずれぇ……


この嫌な空気を変えようと、大五郎の話に戻した

私『結婚はしてなかったの?』


涙が出る程笑い転げた母に、そう聞くと、母は真面目な顔で

母『したかったんだけどねぇ……大五郎さんには、奥様が居たからねぇ…できなかったのよ…』

そう言うと、さびしそうに遠くを見つめた


私『不倫だったの?私には腹違いの兄弟とかいちゃう訳?』


母『子供は貴女だけよ……だけど、大五郎さんの遺書が見付かって、奥様にあんたの存在がバレたらからねぇ…これからどうなるかしらねぇ………』


意味深な事を言うと、黙り込んでしまった……




< 30 / 146 >

この作品をシェア

pagetop