chance
私『本当の家ってなに?』


母『あらあんた……本当に覚えてないのね』


だから3歳の時の記憶なんて全くねぇーよ…


物心ついた時から、アタイには父親も居なかったし、この家賃3万円のアパート暮らしだったんだから……


私『そんなの…覚えてる訳ないじゃない!母さんは覚えてる?自分が3歳の時の事!』


母『そんなの覚えてる訳ないじゃない!アハハハ〜』


…………な!


私『ほら!覚えてな…』

母『本当の家行ってみる?』


わざとだな!
今のは完璧わざとだった!

だんだん分かってきやしたゼッ!
あんたのかぶしテク!

私『うん!行く』

だけど、答えちゃうよねぇ〜


あっ……アタイには、まだまだ気になる事がありますゼッ!


私『ねぇ…仕事もしてない母さんが、どうして毎日朝から晩まで出掛けてたの?』


母『決まってるじゃない!家に帰ってたのよ!』

私『はぁーっ!?』


なんだよ……何テメェだけ帰ってるんだよ!
アタイも連れて帰ればいいじゃねぇかよぉ!〜


母『あら…アタイも連れて帰ればいいじゃねぇかよぉ〜って思ったでしょ?』


かっ…完璧ですゼッ…!

私『思って…ない…』

イェ〜イ!ウソついて…

母『ウソついたわね!』

って、心の声にまでかぶしてくんじゃねぇーよぉ〜
すげぇーテクじゃねぇか!

私『………はい………』

正直に言うよねぇ〜


おっかさん……あんたには敵いませんゼッ……



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